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課題整理表(案)・評価表(案)実証事業報告会に参加してきました。

皆さん、お疲れ様です。

本日は朝からバタバタ・・・、すっきりしない天気同様、すっきりしない気分です。

さて、先週末に東京都介護支援専門員研究協議会主催の課題整理表(案)評価表(案)実証事業報告会なるものに参加してきました。

大入りでしたね。

やはり、関心度が高いようで。

ご講演されたのは、厚生労働省老健局振興課人材研修係長の鈴木貴士氏と日本総研の齋木大研究員。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会、ケアマネジメント向上会議が、とりあえず、終了しているし、軽度者切りニュースで持ちきりの今、やや関心が薄まっているかのようですが、世の中の関心は、未だにあるようで。たぶん、「課題整理表って、やることになるのか、ならないのか」っていうのが大半なんじゃないかと思いますが。

でも、大手シンクタンクで研究し、国の諮問会議で取り上げられ、実証事業までやってってことで、そう簡単にボツらない、ボツれないってことなのは間違いないと。つまり、実証事業の結果、どうなったのかと考える方が良いのではってことね。

で、報告の中では、実証事業を踏まえた課題整理表の修正案が提示されておりましたよ。

しかし、何故か、課題整理表の位置づけ資料の中で、
「アセスメント」→「課題分析」→「課題把握・確定」→「計画作成」
となっているのは、非常に違和感がありますね。

アセスメントって課題分析、課題把握・確定ってのと同義じゃないんですかね???
つまり、これを整理するなら、

「アセスメントシートによる情報収集」→「課題整理表による課題分析・把握」→「計画作成」
という過程になるのでは??

ってことで、第44回の傍聴記の要約がまだまだ終わっておりませんが、ちょっとだけ、研修の課題整理表を中心に速報を。ちょっと、場つなぎっぽいですが・・・。

とりあえず、この件については、報告書がそのうち出るでしょうから、そちらを確認しないと何とも言えないんですけどね。



《修正内容》

1)自立を阻害している要因(健康状態、認知等)を追加。1~6まで記載が出来る。主に個人因子との解説あり。

2)健康状態の欄を削除

3)ADL:公共交通の利用がIADLへ移動

4)ADL:食事が食事(摂取)に変更

5)ADL:整容・口腔ケアが口腔と整容に分割

6)ADL:姿勢保持、移乗欄を削除

7)IADL:電話・PC欄を削除

8)認知欄を削除

9)コミュニケーション能力欄を削除

10)社会との関わり欄の社会活動、喪失感・孤独感の分割が無くなり1枠に。

11)食事摂取が食事内容に変更

12)現在※1欄の◎○△×を削除

13)社会との関わり以降の選択肢から問題なしを削除

14)※2が見通しから要因に変更(自立を阻害している要因から選択して記載)

15)見通し※2での抽出欄が改善/維持の可能性欄となり、改善可能、維持の2択に変更

16)判断した根拠が備考(状況・支援内容)に変更(ADL、IADLは、線がなくなりぶち抜き)

17)予後予測が見通し※4に変更

18)ニーズの優先順位※4が※5に変更

但し書きについては、資料では字が潰れていて読めません。

ってことで、多くの変更点があるようですね。

とりあえず、暫定版とのことで、必要に応じて改善することが妥当となっておりますが、ほぼこの形で変更はしないと話をされておりました。

そして、この表については、あくまでも推奨していくということで、義務化はしないということ。ここで、会場ではほっとした空気が流れておりましたが、それもどうかと思うところです。
個人的には、書式を増やしていくことは困難だと思ってますが、ずーっと言っているように、この書式の案により「思考過程」に着目されたことは重要なことですよね。

なので、これが必要だというのであれば、他のところを整理するということが出来ればいいんだと。

で、現時点では義務化されないこの表の活用提案としては

・養成研修での活用
・ケアマネジャー自身の点検に活用
・初回プランに活用
・退院、退所等の状況変化時に活用
・初任者のOJTで活用
・地域包括支援センターがケアマネ支援で活用
・地域包括支援センターが地域ケア会議で活用
※但し、地域ケア会議の運営方法が地域により違うので、まずは地域包括支援センターの活用方法習得を推進
・介護支援専門員以外への周知

とのこと。

まあ、いずれにせよ良い悪いは作成してみる方がよく分かると思いますね。

さて、最後に時間が余ったようで質疑の時間がありましたので、記載方法について、日本総研の齋木さんにちょっとだけ確認をさせて頂きましたよ。

※何故かしらQとAを逆に記載しておりました。お詫びして訂正いたします。平成25年7月5日

Q1.阻害要因の欄は個人因子との説明であったが、環境因子等も入ってくると思うが如何か。

A1.個人にかかる課題の整理という意味で、個人因子と説明したが、まず、個人因子からという意味で、当然環境因子等も必要であれば記載。但し、環境因子だけを挙げるという事例は無いと思う。そもそも介護保険制度自体が個人への給付なので、個人因子が入らないと現実的には給付に繋がらないというのもある。記載欄が6つでおさまらないという意見も挙がるとは思うがww

Q2.従来の書式では本人の意向を書く欄が無かったと思うが、備考欄には、本人の意向等の記載をしてもいいのか。

A2.思いについて書いてはいけないとは実証事業でも言っていない。書いてもらったほうが多職種との連携によいということでは実際書いてもらった事例もあった。一方で、絶対に書かなければいけないということを言ってしまうと、第1表あるいは基本情報と重複することになり、作成負担に繋がるので、そういった意味で、ちょっとずるいと言えばずるいが備考処理ということにしている。書いたほうがわかりやすいということであれば、ご活用下さいということ。そこは業務負担との兼ね合いで決めてほしい。ありたい生活像とか思いを記述した方が改善かどうかという根拠の説明がしやすいという事例も多々あると思うので、状況によっては備考欄に書くということ。

Q3.要因、現在の状況、備考の関係性は理解できるが、改善/維持の可能性については、判断根拠、見通しとの関係性が不明確であり、何故、必要なのかがわからない。この欄の意義を再度説明して欲しい。

A3.介護保険の給付の条件として介護保険法2条に戻る話。理由としては、在宅生活の継続。状態の改善ないし、維持、重度化防止、遅延化。やっぱり、この観点は給付の基本的な考え方として、法の記述にまで戻ればあるだろうということで、この観点をまったく抜いてしまうということは介護保険法の給付サービスという事だけでいえばないのかということで残していると。
各論として、何をもって改善とする、あるいは維持と考えるのかということは、実証事業の中でも非常に見解が分かれたところ。これは、改善や維持に○をつけることが良いのではなくて、この方の生活を安定させていくとか、リスクを軽減するとか、場合によってはありたい生活の為に一部ADL、IADLを中心に改善できるところは、改善していくということを考えるきっかけにしてくださいという意味。今後、普及していく時に、改善可能に○がつかないからダメとか維持ついたら×という指導が絶対ないように普及は丁寧にやっていく必要があると思っている。

Q4.見通し欄については、要因、現在の状況、備考の関係性を記載するという理解でよいか。

A4.ご指摘どおり、阻害している要因、現状及び改善/維持の可能性。そして、場合によっては備考の内容を踏まえて書いていくということ。これは、実証の書式では、現在阻害している要因をどう改善していくことによって、結果によって生活全体ないし、そのパーツであるところの活動、参加の部分、場合よってADL、IADLが変わっていくのかといったことを端的に書きましょうというようなことでお知らせしていた。そうすると、内容的には短期目標の書きぶり及びその支援の内容。サービスではなくて支援の内容。ちょっと重複したような内容がここに書かれるということになると思う。




ということで、実証事業の詳細は、いずれ報告書が出たらご確認くださいということで、今後、この課題整理表とどう向き合うかは皆さんそれぞれで考えてみてはいかが?
まあ、その際の多少、参考になればということで。。。

明日からは、傍聴記がんばらねば。。。


《追記》
ちょっと、書き漏らしていたことを思い出したので追記。。。

この書式で気になるところなんですが、いつまで「問題行動」って表現を生かすんですかいの?
せめて「周辺症状」にしまへんか。

あと、鈴木係長の講演の中で、「ケアマネの診断」という表現がありました。
これ、どう判断すればいいんだろ。課題を分析し把握すること=診断ということであれば、課題整理表というより、課題診断表・・・違和感がありますな。
まあ、エビデンスに基づいた課題抽出の結果という意味合いなんでしょうかね。

あと、知人よりご指摘を受けたので。阻害要因欄について、まず、個人因子から記載というご回答を受けてますが、ICF的に考えると、まずは、健康状態、心身機能、構造、環境因子が入るのかなと。そして、参加・・・って考えると個人因子は最後に入ってくると思われるので、斉木氏が考えている個人因子とは、本人に関わることの総称と捉える方が自然だということになるかと思いますね。

《更に追記》
因子の分類についてですが、実証事業の説明資料を確認したら、ICFとは違う分類なんですね。
《個人因子》身体機能、精神機能、経済状況等
《環境因子》家族、経済、近親者、近隣、住まい、バリア、社会資源、その他
出典は地域包括支援センター業務マニュアルとなっていますな。。。

正直、紛らわしい。。。




《告知》今、話題の研修です。当面、貼り付けときます。
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提言 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/05/20 23:00
コメント
No title
QとA逆ですよ
あれ!
ほんとですね。お恥ずかしい。
後で、直します。
通りがかり様、ご指摘ありがとうございました。

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